もうもどれない

ああ、タイに行きてぇ!

酒を飲んでいたせいかちゃんと眠れたんだが
二時間半後に突然目が覚めて鬱モード。
ザック入れたがネガティブに脳が浸食されて眠れない。
六時半、諦めて起きようと思った時にやっと眠りに落ちた。


18の時にある劇場で知り合った同い年の女の子の夢。
こんな年になって久々にそして偶然町中で出会った。
最初に口をついて出た言葉は、
「あ!」
だった。彼女も驚いている。
四十も半ばの歳なのに面影は変わらない。
ハグされてそのまま抱き合う形で今までの話をした。
めちゃめちゃ可愛い子ではなかったが声に特徴があり
考え方も独特で芸術系の大学に通っていて
当時劇場の管理人をしていた俺と知り合ったわけだ。
彼女は某劇団の芝居にハマり、制作として参加、
終いには「ここでは何も学ぶことはない」と大学を辞め
劇団の運営に集中した。
劇団は凄い勢いで有名になりチケットは前売り開始日に完売、
彼女は劇団にいた彼女のいる男性に恋をし、
トラブルを起こして退団、そのまま海外に留学した。
当時何故か彼女に気に入られなにかと相談を受けていた俺は彼女の家の鍵、
しかし本当はその彼の家の鍵を「帰ってくるまで預かって」と託され
彼女を見送った。
彼女はエアメールで沢山のメールを送ってきた。
今の心境や海外での生活、実家の両親に怒られていることなど
内容は多岐に渡ったが俺は一切返信を返さなかった。
多分、彼女に恋していたのだと思う。
しかし当時俺には彼女がいたし、浪人時代を経て何とか大学に受かり
バンド活動と芝居を続けるためバイトを山ほど入れていたので
後回しにしていたこともある。
最後のメールには俺の住所と名前以外に書かれた文章はバツで全て
消去され、唯一バツが付されていなかったのは
「最後の希望ももうないから。」
の言葉だけだった。
俺は大事なものを自ら失った喪失感に打ちのめされた。
……、そんな彼女に二十数年経った今出会ってしまった。
その後、どうしていたのかと聞いても詳しいことは語らず
「色々あったよ。」と小さく微笑みながら
あの頃と変わらず舌足らずな声で答える彼女。
何もかもがからっぽだった。
話を終え、ショッピングモールの階段を下り、
一階のカフェでお茶を飲んだ。
「俺はあの時、君を好きだったんだと思う。」と言った。
「あの時、私が**(外国名)に行かなかったらどうなってたんだろう?」
「どうなってたんだろう……」
「……、そうはならなかったんだから、今の状況だけが現実……。」


再び強烈な喪失感を味わい目が覚めた。


今回、分かったことが一つある。
妄想している時と夢見ている時の見分け方がこの歳にしてやっと分かった。
妄想している時には汗腺の多いところにしか汗をかかない、
夢を見ている時には全身に汗をかく。
思い返してみたが確かにそうかも知れない。


それにしても彼女は今、どうしているのだろう?
元気でいればいいが。


そんなわけで朝飯抜きで常駐先へ。
電車の中、携帯で日記を書いてる俺。
高校生みてぇ!(笑)


今日は仕事以外何も予定はないので仕事に集中する予定。